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定跡への挑戦(藤井vs羽生 第66期A級順位戦)


先日のA級順位戦 藤井vs羽生を見てて、僕がびっくりした局面が第1図

羽生vs藤井第66期A級順位戦30手目 ホントに勝てる穴熊184ページ

この局面、「ホントに勝てる穴熊」(先崎学著)で、ほぼ同一局面がある。
それが参考図1

その本によれば、
「冷静に▲47銀と引くのが急所。(中略)▲45銀とぶつけると△同銀▲同歩に△86歩▲同歩△87銀の妙手を食らって沈没します。

次の△76銀成を防ぐには▲67銀と打つ一手。この銀の打ち合いは先手にとってつらいかぎりで、いつまでたっても銀が動けず、ゆうゆうと囲われて手も足も出ません」

とある

なので、藤井も当然▲47銀と引くのかと思いきや、さくっと▲45銀とぶつけ、
以下先崎の解説の通りに進んで、第2図

羽生vs藤井第66期A級順位戦36手目 ホントに勝てる穴熊185ページ 

結論から言えば、以下残念ながら、羽生の勝ち
(棋譜を再現するには、こちら

この後の両雄の手順を理解/解説できる棋力が僕には当然ないですが・・・

仕掛けの権利を後手が一方的に持っていた気がするので、
若干先手がつらい気もしましたが、
まぁ俗に言う(?)「あとは強いほうが勝つんじゃない?」っていう
感じを受けました

ちなみに、ボナンザ先生によれば、▲67銀打ちに代えて、▲25銀打ちで、 +168(互角〜先手やや良し)でした

定跡書でこの手はだめで、この手をさすべき、とか書いてあると、
なんとなく、そういうもんだと思い、自分の頭を使うことなく、
良いとされている手を指してしまいがちになるが、

負けたとはいえ、従来の定跡を疑い、果敢に挑戦した藤井は、
当然なのかもしれないが、さすがだと思う

藤井先生に限って、定跡の教える87銀打ちを知らなかったわけでも、
うっかりしたわけでも、軽視したわけでもないですよね・・・
最終更新日 2007/07/10

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