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棋書紹介


定跡

ホントに勝てる四間飛車 先崎学 河出書房新社 S

ホントに勝てる穴熊 先崎学 河出書房新社 A

藤井システム 藤井猛 毎日コミュニケーションズ A

四間飛車の急所@ 藤井猛 浅川書房 A

最強の駒落ち 先崎学 講談社現代新書 S

居飛車穴熊撃破(必殺藤井システム) 藤井猛 日本将棋連盟 C

四間飛車を指しこなす本@ 藤井猛 河出書房新社 A
手筋

将棋は歩から(全3巻) 加藤治郎 東京書店 S

相振り飛車を指しこなす本@ 藤井猛 浅川書房 A
寄せ

佐藤康光の寄せの急所 囲いの急所 佐藤康光 NHK出版 B

羽生善治の終盤術@ 羽生善治 浅川書房 B

羽生善治の終盤術A 羽生善治 浅川書房 B

羽生善治の終盤術B 羽生善治 浅川書房 B

実戦の詰み手筋50 将棋タウン管理人(isoda) 将棋タウン S

寄せの手筋168 金子タカシ 高橋書店 A
その他

注釈 康光戦記 佐藤康光 浅川書房 B

最新戦法の話 勝又清和 浅川書房 A


定跡
題名:ホントに勝てる四間飛車

評価:S

出版社:河出書房新社 著者:先崎学
価格:1365円 発行日:2002年12月

初段前後向けの、四間飛車の定跡書

細かい変化には触れずに、大きな方向性や、四間飛車を指す上でのコツ・感覚をわかりやすい言葉で書いてある良書

「重い/軽い」「捌く」といった、定跡書にはごくごく当たり前に書いてあるような言葉ですら、ちゃんとどういことか説明してあるので、級位者にとっては、非常にわかりやすい

題名:ホントに勝てる穴熊

評価:A

出版社:河出書房新社 著者:先崎学
価格:1365円 発行日:2003年2月

初段前後向け、穴熊の定跡書
美濃vs居飛穴、振り穴vs居飛車急戦、振り穴vs銀冠、相穴を解説している

相変わらず非常に分かり易い

例えば、振り穴vs棒銀での、何気ない歩の突き捨てに関しても、
「▲35歩とつき捨てるのが機敏な動き。この一手で一気に盤面を
広く使うことが出来ますね。それだけ棒銀の価値が下がったともいえるのです。」

と、詳しく日本語の説明がちゃんとある。前著の前書きで、
「職人感覚を言葉にする」とあったが、まさにその通りだと思う

題名:藤井システム

評価:A

出版社:毎日コミュニケーションズ 著者:藤井猛
価格:735円 発行日:2002年11月

有段者向け、左美濃に対する藤井システムの定跡書

プロの研究の凄さと、「システム」と銘打ってるだけあって、ものすごく完成された定跡という感じを受ける

また随所にチャートが挿入され、付録?に全体のチャート図もついており、見易さ・読みやすさにも非常に力が入っていて、わかりやすい

非常に個人的な話で恐縮であるが・・・
本サイトを作るきっかけになったのは、5段の人に初めて平手で勝ち、そこにいたる自分の成長の記録等を残しておきたいと思ったからであるが、その時の将棋は正にこの本の通りに進んだ。
この本のおかげで本サイトができたといっても過言でないw

題名:四間飛車の急所@

評価:A

出版社:浅川書房 著者:藤井猛
価格:1470円 発行日:2003年12月

有段者向け、四間飛車の定跡書
定跡書というより、歴史書という感じを僕は受けた

藤井のコメントによれば
「現在の形に至るまでの大きな流れや《考え方の進化の歩み》を
たどってみたかった」
とあるように、単純に最新の定跡が書いてあるわけでなく、
プロの膨大な研究による、新手と対抗策の繰り返しの
歴史を感じ取れる

ただし、基本的なことはあまり書いてないので、
四間飛車をよく知らない人にとっては、
かなり読むのはつらいかもしれない

ちなみに、この本の第1章57銀左の急所、および第7章棒銀の急所
(計60ページ弱)に関して、第2巻〜4巻の3冊で詳しく解説している

題名:最強の駒落ち

評価:S

出版社:講談社現代新書 著者:先崎学
価格:840円 発行日:2004年11月

上手向けの、8枚、6枚、4枚、2枚落ちの定跡書

あとがきに
「本書では、むしろ上手側の手練れの人たちの意識を喚起するために、
できる限り、駒落ちの新しい楽しみ方を書いたつもりである。」
とあるように、あの先崎学が書くだけあって、ただの定跡書ではない

本当に上手をもって将棋を指したくなる、啓蒙の書とも言うべき書

個人的には、有段者全員に是非読んで欲しい

題名:居飛車穴熊撃破(必殺藤井システム)

評価:C

出版社:日本将棋連盟 著者:藤井猛
価格:1260円 発行日:平成9年9月

有段者向け、対左美濃及び対穴熊の藤井システムの定跡書

解説も分かりやすいし、レイアウトもよく出来ているので、
本来であれば、A評価としたいんですが・・・

ここ10年程の、藤井猛を筆頭とする、
藤井システム党vs居飛車党の実戦と研究の結果、
この本に書いてある内容は古くなってます><

具体的には、
四間側の駒組みを牽制する▲55角も出てこないし
四間側の△74歩(または△64歩)を見てから▲36歩とついて、
穴熊と急戦を両方匂わせつつ、こま組みを進めるといった手も出てきません

藤井システムの原点を知りたい、もしくはとにかく藤井が好き(笑)
という人以外には、あまり・・・

はやく、四間飛車の急所第5巻 出ますように(・人・)

題名:四間飛車を指しこなす本@

評価:A

出版社:河出書房新社 著者:藤井猛
価格:1365円 発行日:2000年3月

級位者向け、四間飛車の定跡書 対急戦編

この本が出たおかげで、
将棋クラブ24で四間飛車党が大発生したとか、

逆に四間飛車の急所が分かったために、
居飛車側の勝率がグンとあがったとか、

色々な噂が流れるほど、(真偽不明だけど^^;)
大ベストセラーになった本

個人的には、次の一手形式での定跡書は、図面が豊富な反面
「日本語での解説」が少なくなるので、好きではないが、
ざっと読めば四間飛車のコツみたいのが分かる気がする




手筋
題名:将棋は歩から(全3巻)

評価:S

出版社:東京書店 著者:加藤治郎
価格:1470円(1冊) 発行日:1992年改定新版

初段前後以下向け、歩の手筋の解説書
歩を利用する手筋を全三巻23章で語りつくしている

今では日常的に使われる(?)”垂れ歩”といった言葉もこの本で初めて名づけられたらしい

文体に癖があり、また題材も相当古い(中原誠6段とか、西村一義5段w)ので、読者を多少選ぶと思うが、この本をしっかり通して読みきれば、筋のよい初段になれると僕は断言する

棋書の歴史に残る名著だと思う

題名:相振り飛車を指しこなす本@

評価:A

出版社:浅川書房 著者:藤井猛
価格:1365円 発行日:2007年6月

初段前後〜有段者向け、相振りの手筋書

あくまで定跡書ではなく、相振りでよく出てくる攻め筋や、
受けの手筋を次の一手(指しこなす本形式)で解説している

本書のテーマは、
相金無双、矢倉vs金無双、矢倉vs穴熊、金無双vs穴熊
(全て先手は向い飛車で、後手は3間飛車)の4パターンであり、
第2巻で、美濃が登場するらしい

宣伝文に「『囲いと攻め形のドラマ』として話が進む」とある通り、
相振りといえば、相金無双だった時代から(第1章)
矢倉を組めば作戦勝ちといわれる時代に移り(第2章)
対矢倉には穴熊が勝ちやすいことが発見され、(第3章)
相手が穴熊ならば、金無双が優秀と見直される(第4章)
という歴史をちょっとだけ感じることが出来る

個人的には、あまり目新しい筋はなかったが、
解説も分かりやすいし、取っ掛かり易いので、
相振りが苦手な人や、初段前後の人にはお勧めだと思う




寄せ
題名:佐藤康光の寄せの急所 囲いの急所

評価:B

出版社:NHK出版 著者:佐藤康光
価格:1020円 発行日:1995年11月初版

級位者向け、囲い別の寄せ手筋を解説した書

美濃、振り穴、舟囲い、左美濃、居飛穴、矢倉のそれぞれに対する代表的な攻め筋、寄せ手筋を紹介している

多くの囲いを対象とし、一つ一つの囲いに対してのページ数が少ないため、この本だけでは十分でないと思うが、初めて見たときには、こんな風に有段者は考えてるのか!!と驚いた記憶がある

囲い別に、寄せの基本手筋があるなんてこと自体、級位者だった僕はしらなかった^^;

題名:羽生善治の終盤術@

評価:B

出版社:浅川書房 著者:羽生善治
価格:1365円 発行日:2005年12月

高段者向け、中盤〜寄せにおける次の一手形式の問題集
(指しこなす本形式)

このシリーズ全体にいえることだが、
羽生の実戦譜からの出題だけあって、難易度が極めて高い

アマ竜王の今泉(現奨励会3段)ですら、
「『羽生善治の終盤術』3巻を毎日読む。この本も繰り返して毎日読めば、
終盤が強くなる気がした。」(将棋世界2006年9月号p.116)
と書いてる

(ほとんどプロレベルの今泉が勉強になるといってる本を、
普通のアマが理解出来るとは思えん・・・)

羽生の終盤に絞った自戦記、と割り切って読むと面白いかも

ちなみに、第一巻のサブタイトルは、【攻めをつなぐ本】であり、
中盤の手が広いところからの出題が多く、シリーズの中で
最も難易度が高い気がする

ただ、問題の区切れ毎にある、「まとめ」に書いてあることは、
かなり参考になる

個人的には、「まとめ」はあまりにまとまりすぎていて、
絶対量が少ないと思うので、ここの部分を膨らませて、
(指しこなす本形式ではない)、普通の形式で終盤の本を書いてほしい

題名:羽生善治の終盤術A

評価:B

出版社:浅川書房 著者:羽生善治
価格:1365円 発行日:2006年4月

高段者向け、中盤〜寄せにおける次の一手形式の問題集

サブタイトルは【基本だけでここまで出来る】とあって、
基本的な手筋の組み合わせの問題が多い

本シリーズの中では最も難易度が低いと言えるかもしれないが、
それでもやっぱりむずい><

題名:羽生善治の終盤術B

評価:B

出版社:浅川書房 著者:羽生善治
価格:1365円 発行日:2006年6月

高段者向け、中盤〜寄せにおける次の一手形式の問題集

サブタイトルは【堅さをくずす本】
美濃、穴熊、矢倉の3つの囲いに対する攻めを解説している

第1巻にあった「まとめ」はなく、その代わり
それぞれの囲いに対する、基本的な攻め筋を解説したページがある

難易度は相変わらずですが・・・

題名:実戦の詰み手筋50

評価:S

出版社:将棋タウン 著者:将棋タウン管理人(isoda)
価格:500円 発行日:2001年9月

級位者〜有段者向け、終盤の解説/問題集

実戦の詰みの手筋50個を解説した基礎講座編と
問題数450問を収録した演習問題編からなり、
総ページ数1000ページ以上。単行本3冊分に匹敵
(通常の書籍とは異なり、電子ブックです)

著者のisoda氏曰く
「実戦の為に詰将棋をやるのであれば、やはり、一桁の筋ものを
たくさん解くに限る。とは言え、実戦の役に立つようになるまでには、
相当数の詰将棋を解かなければならない。

有段者でも、特に将棋センターに来るような人は、
将棋の対局そのものが好きなので、ほとんどの人は詰将棋が嫌いだ。
でもそう言う人たちの対局を横から見ていると、
「ああ、簡単に詰むのになぁ」と思うことは多い。

そこで、考えたんですよ!!詰将棋をたくさんやるのは嫌。
でも、手っ取り早く終盤を鍛えたい、と言う人にとっておきの方法を。」

isoda氏のおっしゃるとおり、本当に実戦でよく出てくる手筋ばかりが
分類・収集されており、問題数も多く何度も繰り返し練習できる良書

#この電子ブックは、将棋タウン内の実戦の詰み手筋50でのみ購入することができます

題名:寄せの手筋168

評価:A

出版社:高橋書店 著者:金子タカシ
価格:924円 発行日:1988年11月

初段前後〜有段者向け、寄せの手筋問題集

既に絶版となり、ヤフオクなどでは、
常に定価の数倍以上で売られている人気の本

僕自身も、1級の時に通して3回くらい読んで
(解いたわけじゃなくて、とりあえず暗記^^;)
終盤力が1ランクUPした気がする

たださすがに、最近は似たような本も多く出てるし、
高いプレミアを払ってまで、買う必要があるかどうかは
よくわからないですが・・・




その他
題名:注釈 康光戦記

評価:B

出版社:浅川書房 著者:佐藤康光
価格:1575円 発行日:2004年8月初版

佐藤康光の自戦記及びインタビュー
自戦記自体は非常に内容が高度で、有段者の僕もほとんど理解できない^^;

ただインタビューは、通常の人と異なる佐藤康光らしさ(?)がよく出ていて、ファンにとっては非常に興味深いと思う

例:
「研究しすぎると、大局観が悪くなることもあるのではないですか。将棋が強いとはどういうことかといえば、初見の局面ですぐに正しい指し手が見抜けることです。研究することによって考えることをやめる。そうした弊害も大きそうという気がします」

「私が詰みを発見して、『詰みがある』と言ったら、『じゃ、パソコンにかけよう」。誰が言い出したということでなく、控え室全体の雰囲気がそうなんです。これは頭にきましたね。私が詰むと言ってるのに、どうしてパソコンを持ち出すんですかね。プロとしての存在を否定されたような気持ちになりましたよ。」

題名:最新戦法の話

評価:A

出版社:浅川書房 著者:勝又清和
価格:1575円 発行日:2007年4月

プロ間で指される最新の将棋の、「いわば鑑賞の手引書」
主要な新戦法の生まれた経緯や成り立ち、狙い、その歴史等が書いてある

読み物として、本当に分かりやすいし、面白く書かれていて、びっくり

僕は純粋振り飛車党なので、居飛車のことはさっぱりしらないが、
符号も多くないし、文章も平易に書いてあるので、
一手損角換わりとか、矢倉ですら非常に面白く読めた
(読んでも強くはならないと思うけど・・・)

テーマ毎に、その戦法のプロフェッショナルにインタビューして、
まとめているんですが、著者の勝又先生独自の研究とか、
意見とかがあまり感じられないので、トーナメントプロとしてどうなのよ?
と突っ込みたくなりますが・・・




最終更新日 2007/06/26



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